解雇まとめ

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前の記事では解雇の中でも最も重い、懲戒解雇について解説しました。

今回は、その他の解雇等について見ていきます。


前回の記事でも出しましたが、下記が解雇の類型です。

  • 懲戒解雇 前回見た最も厳しく、金銭的にも社会的にもペナルティの多い解雇です。
  • 普通解雇 基本的には懲戒解雇と整理解雇以外の解雇を指します。
  • 諭旨解雇 一度チャンスを与えて、非常に厳しい懲戒解雇としない企業側の配慮です。
  • 整理解雇 リストラと呼ばれる余剰人員削減のための解雇です。赤字転落時などに行われます。
  • 退職勧奨 いわゆる肩たたきです。
  • 雇い止め 正社員ではなく非正規雇用の有期雇用の場合に、契約更新しないものです。
  • 本採用拒否=試用期間満了時本採用見送り 入社時の試用期間で、契約が終了するケースです。

それでは、懲戒解雇以外を順番に見ていきます。

普通解雇


懲戒解雇整理解雇以外の解雇をまとめて普通解雇といいます。
下の諭旨解雇もこれに当たります。

条件

普通解雇には条件が2つあります。

社会通念上相当

懲戒解雇でも同様ですが、世の中一般でその事案が普通解雇に相当するものなのかどうかは重要です。
要するに、「懲戒解雇まで行かないけど、会社としてこれ以上は雇い続けるのは無理だよ」っていうレベルです。
具体的には、下記のような状況です。

  • 社内で複数の異性と不倫関係となり、社内の雰囲気を破壊的に悪化させた
  • 比較的軽い懲戒処分を短期間に複数受け、反省の色が無い

客観的に合理的

処分として、普通解雇しか状況に適合したものが無いことです。
日本では解雇制限があり、解雇の敷居を上げ、従業員を守っているという訳です。
余り簡単に解雇できない中、特定の会社だけが簡単に解雇をしていると、解雇権濫用不当解雇として民事訴訟となる場合があります。

諭旨解雇

普通解雇に含まれる解雇手法の一つで、一定の期間を与えて(1~2週間程度)、その間に退職届を出せば、最も厳しい懲戒解雇としない企業側の配慮です。

基本的には懲戒解雇の次に思い処分で、処分を受ける事由が懲戒解雇となってもおかしくない事態で、情状酌量の余地があり、あえて懲戒解雇にしないで自己都合退職にしてあげるものです。

このような事態で上記の一定期間に退職届を提出しない場合、懲戒解雇となります。

通常、懲戒解雇は避けるべき最悪の事態ですので、退職届を書きます。

整理解雇

続いて、整理解雇についてです。
いわゆるリストラというもので、企業の業績が不振となって、やむを得ず一部の従業員を解雇して事業継続を優先するというものです。

条件

整理解雇では大きく下の4つの条件が必要です。

客観的な必要性

解雇しないといけないという客観的な理由付けが求められます。
会社の赤字転落などはたびたびこれに当てはまります。
安定したホワイト企業の人事担当者視点でいえば、赤字にならないとダメ社員を解雇できないという裏事情もあります。

私の新卒で入った会社では、リーマンショック含めて、なかなか赤字計上しなかったため、人事部では「要らない人材をいつ切るか」という課題が存在していたのは事実です。

回避努力義務

社会通念上、解雇は最終手段というものなので、それを回避しようとした事実が問われます。
つまり、解雇以外の方法で経費を削減して収支を黒字化すればよいという考え方です。
具体的な方策として、不要資産の処分(売却)、役員報酬の削減、役員の削減、外注業務の内製化、設備投資の延期、残業規制、賃金カット、採用中止、配転・出向、退職勧奨、希望退職募集など、方法は様々です。

現実的には、赤字転落時には会社は様々な方策を取っており、既に整理解雇しかないという状況に追い込まれていたりします。

人選の妥当性

最終的な決定として、従業員の解雇をするのであれば、人選に関しても慎重に決めなくてはいけません。
客観的で具体的な基準を定めなくてはならず、個人の感覚など主観的で抽象的なものは妥当性がないと考えられます。
例えば、数値化された能力や、勤務状況(遅刻や欠勤などの日数)、雇用形態(正社員・契約社員など)など分かりやすいものを基準とします。

手続きの合理性

具体的には、労働組合と協議しながら、決めているかなどです。

いきなり確定して解雇通知を特定の従業員に送って終わりでは不当解雇と言われてしまいます。
十分に説明し、解雇対象者と残る従業員に理解をされなくてはなりません。

退職勧奨


いわゆる肩たたきです。

具体的には、

  • 上司から「退職届を書いてほしい」と言われる
  • お前にこの会社は向いていない」などと遠回しに退職を促される
  • 仕事を与えられない

といった扱いを受けるものです。

退職勧奨となるのは、解雇にするのは難しいけど、辞めてほしい従業員への扱いです。

本人の気持ち次第で拒否も出来ます。

受け入れる場合は会社都合退職となります。

雇い止め

正社員ではなく、非正規雇用の有期雇用の場合に、契約更新しないものです。

契約社員などは1年契約を複数年続けるものですが、現在は5年以上契約を続けると無期雇用に切り替える権利がありますので、簡単には雇止めが出来なくなってきました。

突然の雇い止めは無効となりえますので、詳しく調べたほうが良いです。

関連記事は下記をご参照ください。

本採用拒否=試用期間満了時本採用見送り

入社時の試用期間で、契約が終了するケースです。

実はこれも解雇に近いもので、簡単には出来ません。

14日以上雇用されている場合、試用期間だからと言って簡単に「本採用しない」という決定は出来ません。

詳しくは試用期間に関する記事で触れましたので、ご確認ください。

解雇通知書

従業員を解雇する場合、企業は解雇通知書を本人に出します。

解雇となる日付事由が記載されます。

その日までの扱い(出社の有無、有給休暇消化)などは会社に確認する必要があります。

日付まで30日を切っている場合は、後述する予告手当を支払う必要があります。

予告手当

解雇日の30日以上前に解雇通知されていない場合、足りない日数分の解雇予告手当が受けとれます。(懲戒解雇の場合は無し)

手当の計算方法は、30日への不足日数 × 平均賃金です。

平均賃金の計算は(過去3か月分の賃金の合計額)÷(過去3か月の総暦日数)

賃金には、残業代や通勤交通費などが含まれます



以上、様々な解雇やそれに近いものを見てきました。

自分がそのような事態になった場合でも落ち着いて行動できることが大切です。

実際に困っている会社員や、今後困りそうな方の参考になれば光栄です。

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「田舎人事」です。
略歴は、
地元駅弁→大手企業人事担当者→バックパッカー→海外転職(人事マネージャー)→コロナで地元に帰って中小企業の人事担当者
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