懲戒解雇ってどんなときに起こるんですか?

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日本ではなかなかクビ(懲戒解雇)にはならないってことは、みんな知ってますよね。(特に正社員)

労働者が手厚く保護される国である証拠の一つではありますが、企業にとっては足枷になりつつあります。

今回は「懲戒解雇」について、人事担当者の視点から解説します。
解雇されそうな人や、既に会社から解雇を通告された方の参考になれば光栄です。

解雇の種類

まずは、懲戒解雇の他、解雇という名称でないもの含めて7つに類型しました。

  • 懲戒解雇 今回取り上げる懲戒解雇です。
  • 普通解雇 基本的には懲戒解雇と整理解雇以外の解雇を指します。
  • 諭旨解雇 一度チャンスを与えて、非常に厳しい懲戒解雇としない企業側の配慮です。
  • 整理解雇 リストラと呼ばれる余剰人員削減のための解雇です。赤字転落時などに行われます。
  • 退職勧奨 いわゆる肩たたきです。
  • 雇い止め 正社員ではなく非正規雇用の有期雇用の場合に、契約更新しないものです。
  • 本採用拒否=試用期間満了時本採用見送り 入社時の試用期間で、契約が終了するケースです。

懲戒解雇の概要

上記の中では恐らく、一番有名な解雇が懲戒解雇でしょう。
いわゆる、クビです。

ちなみに公務員の場合は懲戒免職といいます。
ニュースなどで公務員が悪さしてクビになったという報道があるとこの言葉を耳にします。
私は、こち亀を読んで育った世代なので、それで知りました。笑

懲戒解雇の場合、その場で解雇を告げ、退社させ、二度と出勤させないことができます。

企業における最も厳しい処分です。
基本的には、法律を破り、大きく会社に損害を与えたような場合に適応されます。
余程の事態でなければ懲戒解雇とはなりません。


懲戒解雇に適さない事実で懲戒解雇されれば不当解雇です。
裁判すれば勝てる可能性があります。

「余程の事態」の例は重過失と呼ばれる行動です。

  • 取引先等から多額(感覚的には100万円以上)の賄賂を貰っていた
  • 別の従業員に暴力を振るって、障害が残った
  • 取引先の異性をレ○プした
  • 業務上横領
  • 重大な経歴詐称
  • 長期の無断欠勤
  • 懲戒処分の繰り返し

などです。
「そりゃあ懲戒解雇だよな」という内容ばかりですので、文句は言えないでしょう。

逆に言うと、ここまでの事態でなければ、懲戒解雇にはならないということです。

懲戒解雇の条件

従業員を懲戒解雇にするには下記の条件を満たすことが必要です。

就業規則に明記

従業員を懲戒解雇するのなら、就業規則にはその旨明記する必要があります。
もちろん、ほとんどの企業の懲戒処分の類型の一番最初か最後に載っている筈です。

合理的理由

後述しますが、懲戒解雇は、受けた側は大きく社会的な信用を失います
その為、簡単に懲戒解雇が出来ないように、懲戒解雇としなければならないような合理的な理由が必要です。
上で示した重過失などがそれに該当します。

社会通念上相当性

上の合理的理由と同様ですが、懲戒解雇に該当するような事案なのか、社会で広く肯定されることでないといけません。
例示した暴力行為や横領などは「当然懲戒解雇だよね」というような、世の中での一般的な認識と一致しているかが問われます。

重いペナルティ

他の解雇と異なり懲戒解雇はかなり厳しい処分であり、様々なペナルティがあります。

退職金無し

会社にもよりますが正社員で通常2、3年以上働くと、退職金が出る会社がほとんどであり、企業は毎月積み立てしています。
懲戒解雇の場合は、これが不支給となるケースがほとんどです。


ただし、企業型確定拠出型年金(企業型DC)の場合は、既に積み立てした本人の財産ですので、没収はできません

正式に汚名が残る

懲戒解雇されたという事実は消せません
これを履歴書に記載しないのは、経歴詐称に該当し、判明すれば次の懲戒解雇要件となります。
採用担当者の視点でいえば、そんな人材を雇いたいとは思えないので、もう国内で正規雇用ではどこも雇ってはくれないので、非正規雇用か、海外転職などしか道がないでしょう。

海外転職に関しては下記の記事で概要や方法を述べています。

予告手当がない

別の記事で述べる普通解雇などは、解雇を告げられて30日間は働ける、または30日分の予告手当が受け取れるのですが、懲戒解雇ではそんな生易しい状態ではありません。

理由が理由なので、文句の出しようもありません。

雇用保険の失業給付を受けるまで時間がかかる


普通解雇や、整理解雇の場合、会社都合の退職なので、7日間の待期期間の後、失業給付(基本手当)は2or3か月の給付制限期間を経ずにすぐに支給されます。

しかしながら、懲戒解雇の場合は自己都合と同様の扱いで、2、3か月の給付制限期間があります。

「お前が懲戒解雇になったのはお前のせいだろ?」ってことです。

厳しいですね~(当然か)

雇用保険については↓の記事で触れました。

訴訟リスク

横領など、金銭問題での懲戒解雇の場合は会社から民事訴訟されるリスクもあります。

こうなると、よっぽどの弁護士を立てられないと勝ち目はないでしょう。




以上、懲戒案件で最も重い懲戒解雇について、人事担当者の視点から解説しました。

まずは、そんな事態にならないことが前提ですが、万一そうなった場合、どんな罰が待っているのかなど注意喚起できればと思います。

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「田舎人事」です。
略歴は、
地元駅弁→大手企業人事担当者→バックパッカー→海外転職(人事マネージャー)→コロナで地元に帰って中小企業の人事担当者
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