サービス残業の実態と対処法

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今回は軽視されがちな違法行為サービス残業について人事担当者の視点から考察します。

残業の総論は↓の記事でまとめましたので、今回はその詳細となります。


私自身、過去には過重なサービス残業の心苦しい経験がありますので、その辛さを含めて述べていきます。
もし今、若手社員でサービス残業に苦しんでいる方がいれば参考にして頂きたいと思います。

サービス残業の定義

まず定義です。


サービス残業とは、日本的な慣習で、サービス(無償)で残業をすることです。
他の先進諸国ではほとんど考えにくい働き方です。
サービス」という言葉の響きとしては緩い印象になりますが、下で触れる通り労働基準法(労基法)の違反行為(違法)なのです。

法的な位置づけ

サービス残業を法的に示すと、残業代(超過勤務手当)の未()払いで、労基法第37条を違反した行為です。

そもそも残業(時間外労働)は、労基法第36条によって規定された、会社と、労働者の代表(通常は労働組合)とで締結した労使協定(通称サブロク協定を結んでいないと労働者にさせることが出来ないのです。

労働組合に関しては↓の記事を是非ご覧下さい。

話を労基法第37条に戻すと、この条文では1日8時間、週40時間を超えて働く場合は通常の時給(換算)の1.25倍以上払わなくてはいけないと規定されています。
休日出勤なら1.35倍、一ヶ月に60時間以上の残業なら1.5倍です。

サービス残業は、この法規を破り、労働者に支払うべき給料を支払わない行為という訳です。

労基法119条によると、違反者は懲役6か月以下、または30万円以下の罰金となっております。
労働局(労働基準監督署、労基署)が取り締まりの権限を持っており、実は監督官には逮捕権もあります。

現実的には、極めて悪質な場合以外は取り締まりの対象になっていないのが実態です。
労基署も、世にはびこるブラック企業の取り締まりで忙しいのです。

田舎人事の見解

サービス残業は違法です。
しかしながら、まだそういった認識がない、認識があっても残業代を支払わない悪徳な経営者や管理監督者が多いのが日本の残念なところです。

ブラック企業という訳です。


労働基準法は、法治国家日本にありながら違反が常態化した非常に残念な法律の一つと言ってよいでしょう。
国内において同じくらいの頻度で、簡単に違反されているのは道路交通法くらいなものでしょうか?

サービス残業は過去の遺物

サービス残業は、「働き方改革」が叫ばれる中にあって近年減って来ましたが、かつてはもっと横行していました。


アメリカの車メーカー等からも、「従業員をタダ働きさせて安く作った車に太刀打ちできる訳がない」と批判されていました。


今では、ビジネスモデルが変わり、GAFAMを始めとしたIT分野に産業の主導権が移り、ものづくりなどは余り相手にされてないので、こういった批判は聞こえなくなりました。


要するに、商品・サービスを安く売るために従業員にサービス残業を強いる時代は終わったのです。
安さでは途上国には遠く及びませんし、安さだけで勝負していては世界との差が開くばかりです。
当然、サービス残業をしているような企業は今後淘汰されていくでしょう。

田舎人事の経験

私も、10数年前に新卒で入った会社(一流企業といえる日本を代表するメーカー)で、ある部門に在籍時にはサービス残業が常態化していました。


実際には毎月80時間くらいの残業・休日出勤がありましたが、申請してよかったのはサブロク協定に引っ掛からないギリギリの29.75時間年間360時間)まででした。


平日は、朝早くから夜遅くまで会社におり、会社の近くにある寮との往復だけで、休日も当時は若かったのにも拘らず、疲れてダラダラするだけでした。


当時は、新人で弱い立場だったので仕方のないことと諦めていましたが、やはり違法行為には違いありませんので、声を上げるべきだったと今では思います。


とはいえ、これが原因で辞めたわけではなく苦しい仕事に耐えたこと自体は、間違いなく今に活きている上、当時の上司・先輩とは退職してしばらく経った今でもかつての戦友として交流があるので、結果オーライかもしれません。
流石に、いまだに同じようなブラック職場ではないと信じたいですね。

ちなみに、上記の部門で3年程の勤務を経て、異動後は打って変わって、なかなかのホワイト部門に行ったので、月々の残業が10時間程度になり、アフターファイブが大変充実したものです。笑
趣味の英会話教室に通い、そこで仲良くなった生徒やアメリカ人講師と飲み歩いたり楽しく過ごしていました。
しんどい日々もずっとは続かないと思います。
もし、それが終わらないようなら、早めに見切りをつけて、次のステップ(転職)に進むべきでしょう。

対策

サービス残業した分は、もちろん残業代として請求出来ます
明らかな証拠になるよう記録を残し、退職時にまとめて3年分請求しましょう。
なお、2020年の民法改正により以前時効(請求出来る期間)が2年だったものが3年に延長されています。

そもそも、今どきサービス残業させるような会社は、いわゆるブラック企業なので、請求してもそれを払わない可能性がある上、「退職するなんて認めない」というようなことを言い出しかねません。


なので、揉める前に退職代行エージェントを使って綺麗さっぱり退職するのがオススメです。

退職代行については過去記事でも触れましたが、しっかり弁護士の介在する突破力のある業者を選びましょう。


料金が安過ぎる業者は弁護士が居ない為、法律的に弁護士にしか出来ないような強い対応が出来ない為、ブラック企業相手では負けてしまいます
ちゃんと弁護士がいる、または介在している業者にお願いしましょう。

退職前から転職エージェントへの相談も大切です。

採用担当者の視点からオススメ出来る転職エージェントを8社厳選した記事は↓です。





以上、サービス残業の法的な見方、私の経験を含めた見解、対策を人事担当者視点から解説しました。
参考になれば光栄です。

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田舎人事

「田舎人事」です。
略歴は、
地元駅弁→大手企業人事担当者→バックパッカー→海外転職(人事マネージャー)→コロナで地元に帰って中小企業の人事担当者
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