「お客様は神様です」?

雑記

昔の日本の価値観で、「お客様は神様です」という言葉があります。
いまだにその感覚で接客を受けようとする人、接客をしようとする人がいることに関して、海外経験を持つ人事担当者の視点から考察します。

サービス業の方や、お客さんの立場のすべての方の参考になれば光栄です。

近代日本の負の遺産

結論から言えば、いまだに店員よりも客が偉いと思っている人がいるのは、日本社会の様々な問題の元凶となっており、すぐさま無くすべき負の遺産と言えるでしょう。

昔は良かったのかもしれません。

イケイケドンドンで、経済も発展し、給料も毎年増えて行った高度経済成長期平成のバブル景気の際は、今の中国のように、金払いも良く羽振りの良い人が尊敬されたのでしょう。

ところが、今の経済の停滞した日本ではどうでしょうか?

例えば、ある客がコンビニで会計時に、お弁当を温めるようレジの店員に依頼したとしましょう。
レンジで温めていると、ソースが弁当箱の中で破裂してしまいました。
元々ソースは温めてから揚げ物にかけるもので、自動的にかかっただけなのにもかかわらず、怒った客がクレームを付け、店長を呼びます。


客が、

お客様は神様だろ!?

何をやってるんだ!

交換しろ!

と喚きます。


店長は交換に応じざるを得ません。

これでお弁当が一つロスとなりました。(何も問題ないので、後で従業員が食べるのかもしれませんが)
店長はロスの理由を何かしらの報告書に記入しなければならないでしょう。


店・会社としては、余計な仕事が増え、無駄なコストが発生しています。
ひょっとしたら、店はある程度こういったロスを事前に見込んで本部に余分に発注をかけているのかもしれません。

客のあるべき態度

さて、ここで、レンジで破裂してしまったときに、腹を立てずに、

ソースの封を破く手間が省けたよ !

ありがとう!

と快く受け取れば、誰も損をしません。

接客を受ける際、ちょっとしたことでいちいちマイナスの反応を示す人が多いと、企業はムダを承知でコストをかけて、対応してしまいます。
これが、日本企業の生産性が低い一因になっていると思います。

外国の例

例えば、外国に行くと、店員は普段は勤務中でもスマホをいじっているか、同僚や客と和気あいあいとおしゃべりに花を咲かせています。

客も余程の一流ホテルやレストランでなければ、そこまで高水準なサービスを求めません。

お互い、そこそこで良いと考えているので成立しているのです。
日本では、低単価な店でも、高いレベルのサービスを求めてしまうのが問題なのです。

日本では常に全顧客(100%)の満足を求めます。

欧米などでは、80〜90%の客で良しとする風潮があります。
それに満足しない10〜20%の客は最初から相手にしていないのです。

なので、日本以外では、上で挙げたコンビニのクレーマーが発生した場合、店員は冷笑して取り合わないか、店の外でダラダラしてるセキュリティのお兄ちゃんを呼ぶだけです。

カナダにいた頃、先住民族の酔っぱら(国から多額の生活保護を受けている)が、2mくらいのレスラーのようなガタイのセキュリティにつまみ出されるのを目撃しました。

お呼びでないということです。
無礼な馬鹿客は、そもそも客に該当しないので排除してしまうだけです。

また、海外では通常、客と店員は関係性が対等です。
店員が提供するサービスに対して、客は適正な金額を払うだけです。

アメリカ・カナダのチップ制度などは分かりやすく、チップの相場が15〜20%であれば、非常に満足したなら笑顔で3割程度のチップを置いていけば良いですし、ダメなサービスならチップを払わないか5%程度のチップでも良いのです。
店員はそれに反省し、自らのサービスを改善するか、悪い状態が続けば店長がその店員のクビを切るだけです。

ハイレベルなサービスを受けるなら

海外では決して、客が崇められるような神様ではありえません

神様のような扱いを受けたければ、七福神のように有り余るような金銀財宝を対価として支払うべきです。

金額が小さい例ですが、タイで1時間1500円程のマッサージを受ける際に、施術が始まる前に担当者に1000円ほどのチップを渡すと、担当者は一生懸命頑張り、自分に出来る最高の施術をしてくれます

海外から見た今の日本

別の記事でも何度か触れてきましたが、既に日本は世界と比べて特別に物価の高い国ではなくなっています
30年ほど前は、北欧やスイスと並ぶ、世界一物価が高く、何でもハイレベルな国だったのかもしれません。


しかし今では、「そこそこの物価の国」になってしまいました。

欧米人から見た日本は、「物価は欧州の後進国並に安く、英語の通用度は低いけれど、サービスや物の品質は世界最高峰の国」という不思議な状態になっています。

安く最高のサービスが受けられるという点では、客としては素晴らしいですが、提供する側にとっては地獄です。


安い給料で、オーバースペックなサービスをしなくてはいけないのですから。
こんな状態を続けてホントに良いのでしょうか?
決して「持続可能」な状態ではないですよね。

これからのあるべき働き方

仮に日本が、諸外国同様に給料がどんどん増え、物価も同様に上がって行く国であれば、独自路線を貫けば良かったのでしょう。

残念ながら、今後の成長が望めない中では路線を変えたほうが良いでしょう。


「外国並みの塩対応をしろ」とは言いません
常に塩対応では、日本の良さが失われてしまい、凋落がさらに進んでいくだけ
ですので。


客を選ぶべきということです。

マトモな客には、これまでと同様に、世界最高水準のサービスを提供し続ければ良いですが、クレーマーなど質の悪い客は排除するべきです。

決して、お客様は神様」ではなく、集中と選択をし、上客には良いサービスを、客に満たない者には何もしないというスタンスで良いと思います。

これによって高い生産性をあげ、従業員皆が残業をせず有給休暇をもっと取得する世の中になっていくことを一人の人事担当者としても願っています



日本社会が変わるのを待てないという方は、大人の夏休みでいっときの休息をしたり、海外転職をしたりという選択も良いでしょう。

その辺りは過去記事を是非ご覧ください。

大人の夏休みについては↓の記事でまとめました。

大人の夏休みの一種である、ワーキングホリデーは下です。

海外転職については↓の記事で概要をまとめています。




以上、海外経験のある人事担当者の視点から「お客様は神様です」という言葉について考察しました。

サービス業の方や、お客さんの立場のすべての方の参考になれば光栄です。

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田舎人事

「田舎人事」です。
略歴は、
地元駅弁→大手企業人事担当者→バックパッカー→海外転職(人事マネージャー)→コロナで地元に帰って中小企業の人事担当者
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