大手では成長できない、中小・ベンチャーは成長出来る?

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大手よりも中小とかベンチャーの方が、成長しやすいって聞きましたけど、本当なんですか?

こんな話をまことしやかに吹聴する人がいますが、結論からいうとかなりリスキーな言葉だと思います。


確かに大手であっても、会社によって、所属部門・部署によってはそういう部分も否定出来ない場合もあります。



とはいえ、概ね中小やベンチャーよりも、大手の方が成長しやすいというのが実態でしょう。


もちろん、本当に大手よりも成長しやすい中小・ベンチャーが存在することもまた事実です。

ですが、就職活動中の学生の皆さんには、一見尤(もっと)もそうなこの「中小・ベンチャーの方が成長しやすい」という言葉を鵜呑みにしないようご注意頂きたいと、大手企業を経験後、紆余曲折を経て、現在、実際に中小企業勤務の採用担当者の本音をお伝えしていきます。

得体のしれない中小・ベンチャーにどんなリスクが潜んでいるのか順に見ていきます。


成長出来るかどうかは本人次第

成長というのも、実際には分かりにくいものです。
成長したかどうかは、自分で決めるものではなく、本来上司等周りからの評価によって分かるものです。


とはいえ、社会人になりたての数年は自分で感じる程の成長も十分可能です。

元々成長の余地が十分ある新卒では、皆当然に成長しやすいので、それが独り歩きしているのではないかとも思います。


大手企業の成長しやすさ

その点でいうと、多くの大手企業では、新入社員教育の仕組みが出来上がっており、十分な研修期間が設定され、電話の取り方から、メールの送り方まで細かくOff-JTで教えて貰えます

もちろん、給料を貰いながらです。

数か月に及ぶ研修が終わり、正式配属されてからは、メンターとして仕事のノウハウを教えてくれる先輩社員が一人置かれるのが一般的です。


中小・ベンチャーでは、そこまでの金銭的・人的余裕が無いので、いきなり配属して、全てOJTで進みます。

優秀な先輩・上司に当たれば、細かく教えてもらえる可能性もありますが、基本的に先輩・上司自身そんな教育を受けていないので、ほったらかしになることが往々にしてあるようです。


十分な給料を与えない

ブラックな中小・ベンチャーでありがちなのは、入社してすぐに、ある程度高い役職に就いて責任が与えられます。

一見やりがいがあるようですね。

しかし、これが伝家の宝刀「やりがい搾取」です。

入って間もなく「部長」のような肩書だけ与えられますが、賃金(給料)は大手企業で言えば平社員や、良くて主任レベルだったりします。

なお、私が新卒で入った大手メーカーでは、かなりざっくりいうと、アラフォーくらいの課長平均年収が1,000万円アラフィフ部長1,500万円でした。
もちろん金額には幅があり、事業部の業績が悪く、年次も若ければ900万円前後の課長もいましたし、逆に2,000万円近く貰ってる部長もいました。


決裁権限を付与しない

多くの大手企業では、役職に応じた決裁権限を付与します。
決裁とは、ざっくりいえば承認行為です。

私の勤めたメーカーの決裁権限は、課長で1件あたり20万円まででしたが、本社部長級の工場長では1,000万円でした。
ちょっとした買い物は課長の承認で買えましたが、20万円以上の単価で資産計上しなければいけない案件は、全て設備担当課長の運営する会議で工場長の承認が必要でした。

逆に言うと、工場長(部長)にはそれだけの権限が与えられているのですが、中小やベンチャーでは、社長以外にはそこまで大きな権限はそもそも無いのが通例です。


責任だけは重い

名ばかり管理職」という言葉がありますが、余り利益率・生産性の高くない小売業サービス業などでは多いかもしれません。
つまり役職名だけ店長課長部長であっても、給料は普通の会社の平社員並です。


しかしながら、管理職(管理監督者)ということなので、残業代が支給されません
固定残業代など、法的にグレーゾーンを攻めているような賃金形態になっている会社も多いです。


名ばかり管理職というのは残業代を払わないためのブラック企業の手口です。

少し脱線しましたが、給料は意図的に安く抑えられている反面、責任だけは一丁前に役職名の通りに求められます。

ミス赤字など、経営陣が求めない結果を出した場合は、人格否定を含めて、大いに責め立てます。

ブラック企業では、赤字を自らの給料で補填なども十分考えられます。


社長のワンマンがデフォルト

ブラック中小・ベンチャーは基本的にはワンマン社長独裁体制が敷かれていることがよくあります。

狂信宗教的な状態で、社長にゴマスリをするような者だけ厚遇され、真っ当に働いた者は損するだけです。

内定取消のリスク

これも恐ろしい要素の一つです。

↓記事は昨秋の内定式前に突然内定取消をしたベンチャー企業の事例を取り扱いました。


新卒カードの無駄遣い

↓記事で取り上げたように新卒は、その時だけしか使えない、大手企業に就職する数少ないチャンスでもあります。

中小・ベンチャーには、ある意味でいつでも入社出来ますが、大手は新卒でないと入りにくいという事情もあります。

学歴が高ければ、新卒の方が大手企業に入りやすいでしょう。

逆に、学歴に自信がないのなら、転職時の方が大手企業に入りやすいかもしれません。




以上、私見ですが採用担当者の考える、大手と中小・ベンチャーの比較です。

一般論私の経験を含めて考察しました。

就活生の皆さんには、一見尤もらしい「中小・ベンチャーの方が成長しやすい」という危険な言葉を一度疑って、じっくりと情報収集することを推奨します。

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「田舎人事」です。
略歴は、
地元駅弁→大手企業人事担当者→バックパッカー→海外転職(人事マネージャー)→コロナで地元に帰って中小企業の人事担当者
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