健康保険

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今回は社会保険料の一つで、給料控除(点引き)項目の健康保険料と健康保険制度について、人事担当者の視点から考察します。
知っていると知らないとでは、いざというときに大きく変わるので、概要だけでも覚えておいて頂ければと思います!

世界最強の医療保険制度

そこまでたくさんの国に長期で住んだことがあるわけではないので、断言は出来ませんが、私はある意味で日本の健康保険は世界最強だと思っています!


ほとんどの日本在住の人が加入しており、3割負担で一般的な医療(しかも概ねレベルが高い)が受けられますし、後に記載する高額療養費制度などは一定以上の金額は個人負担しなくて良くなるのです。

例えば有名な話で、アメリカでは、医療費が恐ろしく高額で、保険料もかなり高いため、多くの国民が無保険、またはある程度(日本並み)の保険料を払っていても、自己負担額がかなり高額だといいます。
余談ですが、今回のコロナでその弱点が露呈したのではないかとも思います。

ベトナムでの体験

私がしばらく住んだベトナムでは、現地水準の医療(公立病院)は給料控除の医療保険である程度カバーされるようでしたが、我々日本人からしたら、正直、映画で見るような野戦病院なので(実際に一回だけ行きました。。。)、安心した医療が受けられるような環境ではないので、多くの外国人や現地の富裕層は日本の海外旅行保険のような形式の民間の医療保険に加入します。

現地人も、公立病院は安いけど、風邪などでも3時間待ちが当たり前なので、余程酷くないと医者には行かないので、アメリカに近い状況かもしれません。


ベトナムの大手保険会社の医療保険なら年間5万円ほどと比較的安価で、ある程度保障されるプランもありますが、日本人医師常駐の病院にかかるには日系の民間医療保険が必要で年額10〜15万円ほどです。
私は非加入の状態で現地で肺炎にかかり、現地では最高水準の私立病院に10日間入院(個室)しましたが、日本の町医者程度の医療水準で25万円程かかりました。

それからしてもやはり日本の健康保険は比較的安価で誰でも加入出来て、十分な医療が受けられるので非常に優れた制度だと思います。

健康保険料の金額計算

さて、健康保険料を自分がいくら払っているか知っていますか?

月給が25万円くらいであれば健康保険料は1万円教でしょう。

どういう計算なのかというと標準報酬月額の約10%を会社と折半というものです。

「約」としたのは、所属先の健康保険組合によって若干上下するからです。

標準報酬月額について

社会保険料の計算では自分の給料をそのまま使うわけではありません。
標準報酬月額という金額を一人ひとり決めてそこに掛け算をして計算します。

標準報酬月額は大体1~2万円おきに設定された月額給料だと考えてよいです。

全国健康保険協会(協会けんぽ)が一般的な標準報酬月額を公開しているのでチェックしてみてください。

もちろん、ご自身の勤め先の健保のHPが最も正確ですが。

令和3年度保険料額表(令和3年3月分から) | 協会けんぽ | 全国健康保険協会


標準報酬月額は基本的には4月〜6月の3ヶ月間に払われた基本給のほか、役付手当、勤務地手当、家族手当、通勤手当、住宅手当、残業手当等、労働の対償として事業所から現金又は現物で支給されるものの1か月分を指します。

ちなみに、あまり一般的ではありませんが、年4回以上支給される賞与(ボーナス)も含みます。


会社にもよりますが、若いうちは基本給と残業代、通勤交通費くらいなところでしょう。

4月~6月分の給料で計算して7月から1年間は基本的に固定された保険料が天引きされます。

これは、人事担当者として毎年感じるもので、公式な政府の見解等ではないですが、なんで4月から6月か?というと、多くの企業が4月から新年度(会計年度)が始まるため、昇給が4月に設定されるからです。
そう考えると、なかなかセコい仕組みですよね。笑


とはいえ、新入社員で最初の給料から社会保険料が天引きされてるから4月~6月の給料で計算されていないのは、おかしいと思うかもしれませんね。

最初は、過去の新入社員の例から残業代等を見込みで計算しているのです。
標準報酬月額は概ね1万円刻みなので、これでも大丈夫なのです。

また、4月~6月以外で昇進し、給料が大きく上がったり、役職定年で、大きく下がったりする場合は随時改定月額変更(月変)といって、7月以外で変更することもあります。

標準報酬月額が2等級以上一気に変わる場合が対象で、「月額変更届」という書類を年金機構に提出しなければならないので、人事(給与)担当者には面倒な作業です。


健康保険制度の優位点

扶養家族も対象

皆さんも親元を離れるまでは、お父さんかお母さんの扶養に入っていたと思います。
医者にかかったときに健康保険証を提示していたと思いますが、あれは、家族が自分の保険料を払っていたからできることなのです。
企業等の健康保険の優れたところは、家族が扶養に入っていれば、これができる点です。


ただし、年収が130万円を超えたら扶養を外れるというルールがあります。
税の扶養は103万円で、健保の扶養は130万円と別の上限設定があるので注意が必要です。


なお、後でも触れますが、国民健康保険では扶養に入れないので、会社所属の社会保険との大きな違いの一つです。

医療費が3割負担で済む


これが非常に大きいですよね。

最強の医療保険と言える所以です。
医者やその後の薬局での薬の購入などは、3割負担で済みます。


逆に考えると、あの金額の3倍強が実際の料金と考えると医療費は高いものですよね。
医療機関に勤める人の給料が高くなるのも頷けます。
ちなみに、保険適応の医療はそうでも、先進医療などは非適応で全額負担なので要注意です。


高額療養費制度

一ヶ月間の医療費(保険適応内)の個人負担額が一定額を超えると、それ以上は健保が負担してくれます。

これも非常に優れた仕組みです。

上限としては、標準報酬月額26万円までが57,600円標準報酬月額28〜50万円なら、80,100円+(総医療費※1-267,000円)×1%となります。

ただし、先進医療等は別なので要注意です。

こういった特別な医療を受けるために別途ガン保険などの任意の医療保険に入る人がいるのです。

個人的には、ある程度収入の高い人でなければ、そこまでする必要はないと感じています。

それだけ、健康保険は十分な仕組みだということです。

とはいえ、そういった医療を受けなければならないリスクに備えて、生活防衛資金として100万円くらいは預貯金を持っておくべきだと思います。

傷病手当金

長期入院等で有給休暇がなくなっても最長一年半は標準報酬月額の2/3を健保が補償してくれます。

今回のコロナで陽性となった場合も使えます。

ただ、最初の3日間は待期期間なので、有給休暇を消化しましょう。

国民健康保険との比較

会社に所属していれば通常何らかの健康保険組合に加入しますが、アルバイトなどでは加入できないことが多いです。
親の扶養に入ってれば問題ありませんが、そうでなければ国民健康保険に加入となります。
自営・フリーランスの場合も国民健康保険です。
こちらは標準報酬月額はなく、前年の所得によって算出されます。

そして、会社と折半でもないので、保険料の自己負担が高くなります

また、国民健康保険には扶養という概念がありません

なので、会社を辞めて独立する場合、国民健康保険に加入すると負担が大きくなるということが良くあります。

任意継続について

上記のように国民健康保険は会社の健康保険と比べると、旨味が少なくなりますので、任意継続を検討した方が良いです。

これは、退職後2年間は会社で入っていた健康保険に加入し続けられるという制度です。

退職しているので、半分を会社はもう払ってくれません。

ただし、家族が扶養には入れるので、扶養家族がいる場合はメリットが大きいです。

任意継続は退職による脱退後20日以内に届ければ良いですが、退職企業の社員が必要だったりするので早めに対応するようにしましょう。

退職前に会社の給与担当に伝えておくと良いでしょう。




以上、人事担当者である私が個人的に世界最強と考える健康保険制度について考察しました。

新入社員の皆さんの参考になれば光栄です。

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「田舎人事」です。
略歴は、
地元駅弁→大手企業人事担当者→バックパッカー→海外転職(人事マネージャー)→コロナで地元に帰って中小企業の人事担当者
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