傷病手当金ってどうしたら貰えるの?

人事関連情報

健康保険制度の記事で、少し触れましたが、今回は傷病手当金について、掘り下げていきます。


傷病手当金は会社に所属している間に、長期で仕事を休む場合の公的な保険金と言っていい制度です。
正しく理解して、必要なときに確実に受給出来るようにしましょう。

会社の福利厚生制度について学びたい方の参考になれば光栄です。

健康保険に関する記事は↓を是非ご覧ください。

標準報酬月額について


社会保険料の計算では自分の給料をそのまま計算に使うわけではありません。
22万、24万、26万と、大体1~2万円おきに設定された月額給料が標準報酬月額です。
標準報酬月額は基本的には4月〜6月の3ヶ月間に払われた基本給のほか、役付手当、勤務地手当、家族手当、通勤手当、住宅手当、残業手当等、事業所から現金又は現物で支給されるものの1か月分を指します。
通勤手当や残業代も含まれるのがポイントです。

支給される期間

支給期間

傷病手当金が支給される期間は、支給開始した日から最長1年6ヵ月です。
これは、1年6ヵ月必ず支給されるということではなく、1年6ヵ月の間に仕事に復帰した期間があり、その後再び同じ病気やケガにより仕事に就けなくなった場合でも、その復帰期間も1年6ヵ月に算入されます

この辺りの制度的な欠陥は、2021年1月施行の法改正から復帰期間を除外して1年6ヶ月のカウントというルールに変わります
既に(現時点で)傷病手当金を受給している場合は、受給期間の1年6ヶ月がこの2022年1月1日を含む場合は、復帰期間を除外する新ルールが適用されますが、年内に受給期間が終わると、適用されません。

また、支給開始後1年6ヵ月を超えた場合は、仕事に就くことができない場合であっても、傷病手当金は支給されません

資格喪失後の継続給付について


資格喪失の日の前日(退職日)まで被保険者期間が継続して1年以上あり、被保険者資格喪失日の前日に、現に傷病手当金を受けているか受けられる状態であれば、資格喪失後も引き続き支給を受けることができます
ただし、一旦仕事に就くことができる状態になった場合、その後更に仕事に就くことができない状態になっても、傷病手当金は支給されません。

支給額

支給額については、健康保険の加入期間(1年以上か未満か)によって2パターンの計算をします。

傷病手当金支給開始日以前の加入期間が12ヵ月に満たない場合

支給額は、次のいずれか低い額を使用して計算します。

  • 支給開始日の属する月以前の自分の直近の継続した各月の標準報酬月額の平均値
  • 所属している健康保険組合の標準報酬月額の平均値

支給開始日以前に12ヵ月の標準報酬月額がある場合

支給開始日以前の12ヵ月の各月の標準報酬月額を合算して平均額を算出します。

1日当たりの支給額

上記で算出された標準報酬月額÷30×2/3

ざっくりといえば概ね給料の3分の2ということですね。

支給条件

傷病手当金は、次の4つの条件すべて満たしたときに支給されます。

業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること

健康保険給付として受ける療養に限らず、自費で診療を受けた場合でも、仕事に就くことができないことについての証明があるときは支給対象となります。
また、自宅療養の期間についても支給対象となります。
ただし、業務上・通勤災害によるもの(労災保険の給付対象)や病気と見なされないもの(美容整形など)は支給対象外です。

労災は対象外というのが大きなポイントですね。

仕事に就くことができないこと

仕事に就くことができない状態の判定は、主に医師の意見(診断書)等を基に、対象者の仕事の内容を考慮して判断されます。
うつ病等は診断書が出ると、すぐに休職となるケースが多く、実際に(私の業務上の経験としても)傷病手当金の支給案件として多いものです。

連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと

業務外の事由による病気やケガの療養のため仕事を休んだ日から連続して3日間の待期期間の後、
4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。
待期には、有給休暇、土日・祝日等の公休日も含まれるため、給与の支払いがあったかどうかは関係ありません。
この3日間の待期期間は通常、傷病手当金も給料もないので、有給休暇を消化するのが一般的です。

「待期3日間」の考え方

待期3日間の考え方は会社を休んだ日が連続して3日間なければ成立しません。
連続して2日間会社を休んだ後、3日目に仕事を行った場合には、「待期3日間」は成立しないということです。

休業した期間について給与の支払いがないこと


業務外の事由による病気やケガで休業している期間について生活保障を行う制度のため、給与が支払われている間は、傷病手当金は支給されません
ただし、給与の支払いがあっても、傷病手当金の額よりも少ない場合は、その差額が支給されます。
退職後に任意継続被保険者である期間中に発生した病気・ケガについては、傷病手当金は支給されません

申請の仕方

各健康保険組合毎に申請書があります。
最近ではネットでダウンロードできるものも多いです。
基本的には、所属先企業の印鑑等が捺されたものでないと無効になりますので、各所属先企業の人事・総務部門の担当者に申請方法を確認しましょう。


所属する健康保険組合によって支給の仕方も異なります。
直接本人の銀行口座に振り込む場合もあれば、一度所属先企業に渡して、企業から給料振込用の銀行口座に振り込む場合もあります。

新型コロナ対応

今回のコロナでも、PCR検査などの検査陽性の場合、会社から休業手当などが払われなければ、傷病手当金の支給対象となります。

もちろん、医師の診断書が必要です。

残念なのは、家族が陽性になったために、濃厚接触者と保健所に認定された場合は、傷病手当金は支給されませんので、会社に救済措置が無ければ、有給消化しか手がないという訳です。

今回陽性になった方は、会社から給料の補填が無ければ、傷病手当金の申請をするべきです。







以上、健康保険制度の傷病手当金について人事担当者目線で解説しました。

必要な時に、賢く制度を利用できるようにして頂きたいと思います。

参考になれば光栄です。

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「田舎人事」です。
略歴は、
地元駅弁→大手企業人事担当者→バックパッカー→海外転職(人事マネージャー)→コロナで地元に帰って中小企業の人事担当者
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