年末調整って何?

新社会人情報

各社で年末調整が始まりましたでしょうか?
今回は、年末調整について人事担当者の視点から考察します。
新社会人の方々の参考になれば光栄です。

年末調整とは

新社会人の皆さんはひょっとしたら初めて耳にする言葉かもしれません。
年調(ねんちょう)と略して言ったりします。


年末調整は、年末に、所得税で払い過ぎた分を会社に返してもらったり(還付)、足りなかった分を埋め合わせる為にさらに払って貰ったり(徴収)の調整をする一連の処理のことです。


ちなみに、税金は年度(4月〜3月)ではなく暦年(1月〜12月)で計算するので、色んな時間の流れを考えるときに、年度に慣れていると少し混乱しますね。

なので、新入社員の年収は最初の1~3月(会社によっては4月も)が多くの人が無収入なので、1年目の年収は低く出がちです。

確定申告

年末調整と同時に語られる用語として確定申告があります。
これは一般的なサラリーマンには関係なく、主に個人事業主の人が、税額を確定して納めるものです。
2月16日〜3月15日に前年の税額を確定させる処理です。

確定申告についてはまた別の記事で詳しく解説します。

所得税のイメージ

そもそも、会社員になるまで、所得税について、どんなイメージを持っていましたか?

すごく高いという印象はありませんでしたか?

でも、実際に自分の給料明細を見ると、所得税自体はそれほどでもなく、社会保険料(特に厚生年金)が高いという事実に気付かされます。

厚生年金に関しては↓の記事で解説しました。

所得税が高いイメージは、「所得税が高い」ということをテレビなどで聴いていたからで、プロ野球選手や有名タレントが所得税で半分くらい持っていかれるという話を耳にしていたからでしょう。
所得税は累進課税という中学校の社会の授業で聞いていた言葉で説明されますが、収入が多ければ多くなるほど、税額が大きくなっていくのです。


若いうちや、中小企業で働いているなど、収入が低い人にはそれほど大きな負担でもないのです。

なので、今回2021年10月の衆議院選挙で立憲民主党が年収1000万円までの人は免税という政策を掲げていましたが、低所得者層には旨味の小さい話で年収800〜1000万円くらいの中間層向けの政策だったということですね。

控除

さて、年末調整をする上で大切なのが各種控除の為の処理です。


控除というのは、収入から差し引いて所得を計算するものです。
税を考える上では、収入はいわゆる年収のことです。
所得というのは収入から様々な控除をした上で出てくる金額なのです。

所得税は、所得に課税された額なので、収入はなるべく高い状態にしつつ、所得を減らすための活動が控除項目を増やすことであり、それが節税策だということです。

日常会話ではそこまで考えて話すことはないので、混同しがちですね。

なので、「収入>所得」という不等式は、社会人として覚えておくべき事柄だと思います。

代表的な控除項目を順に見ていきます。

多くは、若い新社会人にはあまり関係のないものが多いでしょう。

人生のライフステージに応じて賢く控除を増やしていきたいものです。

生命保険料

保険会社に支払った金額の全額が控除になる訳ではありませんが、多少は控除されます。

私が年末調整の業務をする上でも、一番見掛ける(多くの人が使っている)控除です。

保険の制度ごとに上限が決められており、控除額の合計上限は12万円です。

正直、新社会人の方の多くは、独身など扶養家族のいない人たちだと思いますので、生命保険については自分の葬儀代が出せる程度で良いのかと考えます。

その辺りの考察は、下記の記事で解説しました。

地震保険料


これも多くの新社会人には無関係だと思いますが、最大5万円まで控除が受けられます。

配偶者控除

年収103万円までの配偶者(夫か妻)がいれば、控除が受けられますが、これも多くの新社会人には関係ないでしょう。

小規模企業共済等掛金控除

この控除が受けられる新社会人はかなりマネーリテラシーの高い方ですね!


企業によっては企業型確定拠出年金(企業型DC)があり、マッチング拠出(会社だけでなく自分も積み立てる)をするか、個人型確定拠出年金(iDeCo)で積み立てをしている場合は、その全額の控除が受けられます。

住宅借入金等特別控除

いわゆる住宅ローン減税というもので、これまでの所得控除ではなく、特別控除という別枠です。

これは、所得控除のように収入から差し引いていくものではなく、税金計算の終盤に所得控除などを終えてから計算されて出てきた税額から直接控除(減税)するという非常に強力な控除です。

確定申告のみの特別な控除

多くのサラリーマンは上で見てきたような控除を活用して税額を下げることが出来ますが、下記のような例ではサラリーマンでも確定申告が推奨されます。

年末調整が終わってから、自ら確定申告をしてさらに節税が出来ます。

寄付金控除


これは主に、ふるさと納税の後の処理で、ワンストップ特例制度を利用しないケースです。

ふるさと納税は、過去記事で触れましたが、非常にお得な制度なのでやらない手はないと思います。

医療費控除

自分や扶養している家族で、計10万円を超える医療費の自己負担があった場合は、その分が控除されます。

様々な事情で多くの医療費を支払った場合は確定申告した方が良いです。

配当控除

資産形成の一環で国内株や投資信託に投資し、配当や分配金を受け取る際には、20.315%の税金を納めていますが、年収に応じて一部またはほぼ全額が還付されます。

なお、国内の株などに限られるので米国高配当株などは対象外です。

まとめ

以上、年末調整について人事担当者視点から考察しました。

新社会人の皆さんの参考になれば光栄です。

ちなみに、いつも年末調整の業務を行っていて思いますが、住宅ローンや生命保険など、一部のオールドエコノミー的な財・サービスのみにこういった優遇策があるので、政府として国民がそれらの購入をすることを後押ししてきた歴史が透けて見えますね。

特に、特別控除が出来る住宅ローンは、やはり重要な経済なのだと痛感します。笑

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