厚生年金保険料と日本の年金制度

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新入社員で給料明細を見ると、控除(天引き)で一番大きいのは、所得税でも健康保険料でもなく、厚生年金保険料です。
今回は厚生年金について、人事担当者の視点から考察します。

どんなお金が何のために引かれているのか、まだよく分からない新入社員の方の参考になれば光栄です。

控除(天引き)で一番の厄介者

さて、厚生年金保険料、高いですよね。
個人負担分でも十分高いのですが、これで半額なのです。


残り半分は勤め先の会社が払っているのです。
社会保険は会社が半分以上払っているので、企業の側に立つと、実際の月給や年収以上に人件費として費用を計上しているのです。
それをなるべく払わないようにと非正規雇用が日本で蔓延するのも頷けます。

それはともかく、厚生年金、高いですよね?
出来れば払いたくはないですよね?


でも、これは厚生年金保険法という法律で、従業員を雇っている企業に支払義務があるので、会社はしっかり従業員負担分を給料から控除(天引き)して、会社の負担分と合わせて納付しなければならないのです。
なので簡単に逃げられるものではありません。

また、税金は節税する方法がいくつかありますが、厚生年金は節税出来ない税金と考えたほうが良いです。(少なくてもサラリーマンとしては)

厚生年金保険料の計算方法

厚生年金保険料の計算式は、

標準報酬月額 × 18.3%(9.15%は本人負担、9.15%は会社負担)です。

標準報酬月額4月〜6月の3ヶ月間に払われた基本給のほか、役付手当、勤務地手当、家族手当、通勤手当、住宅手当、残業手当等、労働の対償として事業所から現金又は現物で支給されるものの1か月分です。

下記(健康保険の記事)にて詳しく記載しております。

「消えた年金問題」の行方

話変わって、少し前に、「消えた年金問題」がマスコミで騒がれました。
また、昔と違い高齢者を支える若い世代が減っているので、年金制度は破綻するのではないかと、まことしやかに語られていましたが、実際どうなのでしょうか?

今度どうなるのかは、もちろん未来のことなので分からないものですが、私個人としては、少なくても破綻はしないだろうと考えています

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の資産運用の状態を見ると良くわかりますが、大きく伸びています。

2001年度以降の累積収益

出典:年金積立金管理運用独立行政法人 「2020年度の運用状況」

2022年度の運用状況|年金積立金管理運用独立行政法人
年金積立金管理運用独立行政法人のWebサイトです。GPIFの2022年度の運用状況を掲載しています。

179兆754億円(2020年末時点)の総運用資産があり、そのうち85兆3011億円が運用等による収益です。

GPIFでは、日本の株式、債権、外国の株式、債権に概ね25%ずつ投資・運用しています。

出典:年金積立金管理運用独立行政法人 「運用資産額・構成割合(年金積立金全体)」


分散投資の教科書通りのような手堅い手法で、役所の人だけで考えた制度ではなく、プロのファンドマネージャーが介在してそうです。
国民のお金なので、かなり慎重に対応しているでしょう。(一度大きく叩かれてるので。。。)

株価の上下に合わせて浮き沈みがあるでしょうが、今後も徐々に増えていくものと考えられます。


マスコミが最近騒がないのは運用が上手く行っており、叩くに叩けないからでしょう。

年金受給可能年齢

男性で昭和36年(1961年)4月2日以降生まれ、女性で昭和41年(1966年)4月2日生まれ以降は65歳まで年金は受給できません。

それより前の世代も60歳から徐々に引き上げられてきました。

今後も恐らくは、受給可能年齢が段階的に引き上がって行くでしょう。
または、受給金額が下がるか。
それとも、その両方か?

それは、日本の高齢率がどんどん上がり、若い世代で支えるのが難しくなっているからです。

みんなで支える従来型

3人で1人の高齢者を支える現代型

一人で一人の高齢者を支える未来型

上の3つのイラストは年金制度を上手く現したものです。

現時点ではまだ企業の努力義務でしかありませんが、年金に合わせて、定年を65歳に引き上げていく流れがあります。
現在は、定年は60歳となっている会社が多く、法的にも定年は60歳以上としなければいけませんが、改正高年齢者雇用安定法により2025年4月から定年は65歳となります。


年金制度もそうですが、少子高齢化の中での人手不足があり、行政としても長く働いて、税金と社会保険料をたくさん払ってほしいのです。

それを考えると、年金は無くなりはしないでしょうが、これまでの高齢者のような美味い汁を将来世代が同様に吸えるものではなさそうです。

自分年金

となると、過度な期待はせず、自分なりに年金を作る方が不難な道でしょう。
年金制度から年金が貰えたらラッキーぐらいに考えて、自分年金で将来に備える、これからはそんな時代です。

この辺はまた後日解説したいと思います。




以上、厚生年金と年金制度について、人事担当者の視点から考察しました。

新入社員の方の参考になれば光栄です。

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「田舎人事」です。
略歴は、
地元駅弁→大手企業人事担当者→バックパッカー→海外転職(人事マネージャー)→コロナで地元に帰って中小企業の人事担当者
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